土と親しむ ~家庭菜園・農業応援歌~

浜松市浜北区にある「たねや(店頭販売専業)」のbaka旦那が音痴ながらも精いっぱい歌う家庭菜園や農業の応援歌! 美味しい野菜や品種の話、栽培方法など家庭菜園や農業にまつわる話題満載!

接木苗の話

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 近年は家庭菜園で接木苗を利用される方が増えてきています。今年はついに、ゴーヤの接木苗(画像中央)が登場しました。限られた面積の畑で栽培を続けているとどうしても連作障害が出てきてしまうのでしょうね。狭い面積では区画を作って蓮作にならないように場所を変えても、水が流れる範囲であれば病原菌は移動してしまうので、中々大変です。

 しかも、春に植える夏野菜の系統はほとんどがウリ科かナス科に集中してしまいます。同じ科の植物はそれを侵す病原菌が似ていますので、品目を変えても同じ品目を連作をしたのと同様の障害が出やすくなってしまいます。

 例えば、ナス科には茄子、トマト、ピーマン(トウガラシ類)、馬鈴薯など、ウリ科にはメロン、マクワ瓜、胡瓜、西瓜、南瓜などがありますが、茄子の後にトマトはだめだし、メロンの後に胡瓜もだめ、と言う感じになってしまいます。そこで、接木苗の登場と言う訳です。

 接木苗とは、土壌病害に強い品種を台木(双葉の上下位から根の部分だけを利用する)として、それに栽培したい品種をつないである苗の事です。画像を良く見るとつないである部分が分かるかと思います。

 ナス科の植物は共台と言って、だいたい同じ品目の土壌病害に強い品種を台木にしますが、ウリ科では、胡瓜・メロン・マクワ瓜は南瓜、西瓜はかんぴょう(夕顔)、を台木に使う事が多いです。南瓜は万能で、西瓜やゴーヤの台木にも使用します。

 ナス科の中ではピーマンはまだまだ接木苗の普及率が低い方です(比較的連作障害が出にくい為)が、トマト・茄子は土壌病害が多いので、接木苗を使われる方も増えています。

 ウリ科では南瓜は一般の栽培では接木苗を使いません(なんせ品種は違うと言え、台木に使う位ですから)。但し、ナス科と若干意味合いが違うのは、耐病性だけではなく、草勢の維持とか低温や高温に対する強さといった意味でも台木が使われていると言う事です。又、胡瓜の場合は果実の色を濃くすると言った意味でも使われています。

 接木苗を利用する時の注意点は大きき分けて3つあります。
1.違う個体を繋いである訳ですから、その接合部分が折れやすいので、大事に扱う事。画像の赤丸で囲んだ部分が折れやすい。
接木苗の話


2.深植えして接合部分の近くまで土をかぶせてしまうと、穂木(本来育てたい方の品種)の根が土に降りてしまい、接木の意味が無くなる(降りた根から病気に侵される)。画像の赤丸で囲んだ部分近くまで土をかぶせない事。通常は苗の鉢土の面が少し出る位の深さに植える事。
接木苗の話

3.台木の芽を伸ばさない。当然、台木も生きているので芽を伸ばしてきたりします。うっかりと、その芽を伸ばしてしまうと、西瓜畑にかんぴょうが生ったり、赤い茄子が生ったりします。画像の赤丸で囲んだ部分に注意です。画像のように芽が出てきたら早めに摘み取ること。台木の芽が伸びた時に穂木の芽との区別が、西瓜や胡瓜は分かりやすいですが、メロンやマクワ瓜、茄子は分かりにくいです。トマトはほとんど分かりません。
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