秋野菜の種蒔きや苗の植え付けの最盛期になって来ました。とは言っても、この残暑で中々農園芸作業に勤しめない状況ですね。台風も来そうだし・・・?
作業する側は、どうしても、作業する時の環境で判断してしまいますが、その後の状況まではわからないので、暑くても、寒くても、とりあえず時期になれば、その時期の作業を進めて行かないと、後で、後悔することが増えてしまいます。
接客をしていると、この時期に、「お正月までに収穫できる枝の出るブロッコリーのタネが欲しい!」、「お正月に間に合うようなキャベツのタネを蒔きたい」と言うお客さが少なからず来られます。
「この時期では間に合わない」と言う事をお伝えするのですが、「まだ、こんなに暑いのに」と言う感じで、納得がいかない風情の方が多くいらっしゃいます。
今は白菜の種蒔きの最盛期ですが、「もう少し涼しくなってから」と仰る方も数多くいらっしゃいます。収穫の時期を選ばなければ若干の余裕はありますが、1週間もたてば「お正月に間に合わせる」ことは難しくなってきます。
以下は現在販売されている代表的な白菜品種の作型表です。上から
65日型(早生種)、
75日型(中早生種)、
85日型(中生種)です。従来からの一般的栽培者の感覚で言えば、75日型は”なかて”、85日型は”おくて”と言う感覚になります。
収穫時期で言えば、
65日型は
11~12月収穫、
75日型は
12~1月収穫、
85日型は
1~2月収穫と言った感覚です。
作型表の左側に「中間地」と「暖地」とありますが、白菜に関しては、弊店のある地域は「暖地」を見て頂ければ良いかと思います。「・」の間がたねまきの時期、「×」が定植の時期になります。
65日型の作型表↓
75日型の作型表↓
85日型の作型表↓
弊店のある地域で考えれば、作型表で見るのと実際の栽培では、たねまき時期は概ね1週間~10日ほどは後ろに推移している感じはあります。たとえば、65日型で言えば、8月末までのたねまき時期が実際には9月上旬頃までは大丈夫です。「×」の定植の時期は重要で、どの作型でも9月25日位までには定植し終わることが重要です。
10月に入ってからの定植では結球不良になる事例が格段に増えます。
白菜の場合は収穫時期によってたねまきや苗の定植の時期が大きく変わりませんが、収穫したい時期の違いで品種の熟期を選ぶことが重要になります。
たねまきの時期はどの品種でもだいたい9月5日~10日の間で、定植は9月25日頃までに、11~12月収穫したい場合は65日型、12月~1月に収穫したい場合は75日型、1~2月に収穫したい場合は85日型、2月中旬以降まで収穫を伸ばしたい場合は上記には揚げませんでしたが、90日型がお薦めです。
キャベツやブロッコリー、カリフラワーの場合は品種の熟期も重要ですが、定植の時期が重要になります。
熟期としては、大雑把ですが、キャベツ・ブロッコリーは9月10日頃までの定植で、早生系で定植後60日位で収穫、中早生で75日位 中生で90日位、中晩生で105日位が目安です。カリフラワーの場合はそれぞれプラス10日~2週間でしょうか?同じ熟期でも定植時期が遅れるほど日数はかかるようになります。
年内に収穫したい場合は、9月10日頃までに中生位までの熟期の品種を植えます。1月以降に収穫したい場合は9月10以降に中生より遅い熟期の品種を植えます。
ブロッコリーの場合はアントシアンの発生を気にしなければ、若干の植え遅れは問題なく栽培できますが、キャベツの場合は結球不良、白いカリフラワーの場合は花蕾の痛みがでます。紫やオレンジのカリフラワーはその点、障害が分かりにくいので栽培し易いかも?です。
大根の場合は、たねまき時の温度が生育に大きく影響するので、遅らせ気味に蒔くのが無難な状況です。一般的な青首品種では、9月15日蒔きで約60~70日で収穫、9月20日蒔きで75~85日で収穫、9月25日蒔きで90~100日位で収穫、と言う感じが目安でしょうか?
他の野菜もそうですが、大根の場合、株間の違いで収穫までの日数がかなり影響を受けるので注意が必要です。