土と親しむ ~家庭菜園・農業応援歌~

浜松市浜北区にある「たねや(店頭販売専業)」のbaka旦那が音痴ながらも精いっぱい歌う家庭菜園や農業の応援歌! 美味しい野菜や品種の話、栽培方法など家庭菜園や農業にまつわる話題満載!

とろろ芋の話

とろろ芋の話


とろろ芋系統の植え付け時になってきましたね。
長芋とか大和芋とか自然薯とか、これが中々ややこしい。
文献によって表記が違っていたり、同じ物を違った呼び名で呼んだり、違った物を同じ呼び名で呼んだりと、混乱してしまいます。
お店でお客様と話をしていても、例えば、「大和芋」という言葉で話をしていても、どうも話がかみ合わないと思っていると、別の種類の話をしていたりと、困ってしまうことも多いです。

色々な文献を見てみて、baka旦那なりにまとめてみると下記の通り。

日本で栽培されているとろろ芋類は日本原産の自然薯、中国原産のヤマノイモ(長芋・いちょう芋など)と東南アジア原産のダイショの3系統に大きく分けられる。

画像の左下のみダイショの系統で、その他はヤマノイモの系統です。
左上はいわゆる「長芋(とっくり芋)」、中央上は「姫神芋」、右上は「山の芋」、右下は「大和芋(いちょう芋)」

文献によっては、ここで言う「自然薯」をヤマノイモ、「ヤマノイモ」をナガイモと表記していたりする。

植物学的に言うと同じ芋類でも、馬鈴薯は塊茎、甘薯は塊根で、とろろ芋類はどちらかと言うと、担根体といわれ根と茎の中間的な部分だと言われる。

地上部は自然薯やヤマノイモは葉が細長いハート形で茎も細身で、繁茂も中位だが、ダイショは茎が太く、葉も大きく、旺盛に繁茂する。

自然薯とヤマノイモの地上部は区別しにくいが、自然薯の方が葉がやや細く、ヤマノイモの茎には若干の稜がある。

染色体数はそれぞれ違い、自然薯:n=20、ヤノイモ:n=70、ダイショ:n=40が基本。自然薯とダイショには別の染色体数の系統も見つかっている。

市販されている種類の中には「短形自然薯」という名で販売されている物もあるが、自然薯を短く改良した物だという話と姫神芋の系統だという話があります。

品種群別に大まかな特徴を言えば下記の通り。
☆自然薯 粘りが強く、甘味・風味があり、品質は最も優れていると言われる。それぞれ各地に自生しているので地方により違いはみられるが、品種と呼ばれるほどの違いはない。

☆ヤマノイモ 品種群によって特性は変わるが、「長芋群」がもっとも粘りが少なく、次いで「いちょう芋群」で、「大和芋群」が最も「自然薯」に近い品質を持つ。栽培性はその逆で、「大和芋群」が最も栽培しにくく、「長芋群」が最も栽培しやすい。
ここで、また、ややこしいのが、いちょう芋は一般的に「大和芋」と呼んだりするが、別に「大和芋群」があったりする。
①長芋群 長芋、とっくり芋、ねばり芋、姫神芋等がある。長芋という名で市販されているのはほとんどが「とっくり芋」です。
②いちょう芋群 棒形、バチ型、仏掌型等がある。画像の「大和芋(いちょう芋)」はバチ型です。
③大和芋群(つくね芋) 伊勢芋、丹波芋、山の芋、新丹丸等がある。

☆ダイショ 芋の形状や、肉の色が様々。ヤム芋、台湾山芋、つくね芋、為芋などと呼ばれている。粘りは「自然薯」に劣らず強いが、風味にやや癖のあるある物が多い。栽培はしやすいが、低温に弱いので、植え付け時期と収穫時期に注意が必要。 

栽培に当たっては、「ヤマノイモ」系の「長芋群」が最も寒さに強く、3月上旬位から植え付けができます。「いちょう芋群」や「大和芋群」、「自然薯」の系統は3月下旬~4月上旬位からの植え付けになります。
ダイショの系統は寒さに非常に弱いので4月下旬~5月上旬位からの植え付けになります。

*内容的に大きな間違いは無いと思いますが、「ちょっと違うんじゃない?」と思われた方は、どんどんご指摘下さい。


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この記事へのコメント :
頭がこんがらがって・・・
最近思ったのですが、自然薯、現代のは長いのですね。

父たちが苦労して掘ってきてくれた、石のような自然薯、とろみの強いあの自然薯の味が忘れられません。
Posted by そらいろそらいろ at 2010年03月10日 16:49
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    コメント(1)