土と親しむ ~家庭菜園・農業応援歌~

浜松市浜北区にある「たねや(店頭販売専業)」のbaka旦那が音痴ながらも精いっぱい歌う家庭菜園や農業の応援歌! 美味しい野菜や品種の話、栽培方法など家庭菜園や農業にまつわる話題満載!

ピーマンのお話 ~パプリカ?~

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 珍しいタイプのピーマン・唐辛子類が色々と入荷してきました。
 左は「万願寺とうがらし」、中央は左が「ひもとうがらし」右が「紫とうがらし」、左が「とんがりピーマン」です。「とんがりピーマン」は弊店一押しのピーマンです。長さ15cm位、太さ4~5cm位、重さ70g位のジャンボピーマンで味が良くて、生りが良くて、栽培しやすい!三拍子そろったお薦めのピーマンです!

 「万願寺」は京都、「ひも」と「紫」は大和のそれぞれ伝統野菜です。

 ピーマンもややこしい野菜の一つです。
 
 ピーマンとパプリカはどう違うの?ししとうと唐辛子の違いは?ししとうが辛くなるのはなぜ?等々ややこしい話が多いです。

 ピーマンは植物名としてはトウガラシでナス科のトウガラシ属の植物です。(当然、ししとう・パプリカ・唐辛子と呼ばれる物はほとんど同じです。)

 このピーマンを含めたトウガラシ類の原産地は、中央アメリカから南アメリカの熱帯地方といわれ、コロンブスがスペインに持ち帰り、ヨーロッパに広まりました。その後、ポルトガル人やイギリス人によって世界に広がりました。

 日本への伝来には、いくつかの説がありますが、16~17世紀にかけて、ポルトガルや中国、朝鮮から何回かにわたって持ち込まれたと考えられています。(韓国では逆に日本から伝わったとされる言い伝えもあるようです)

 まぁ、唐辛子と言われる位だから、唐(中国)からってことですよねぇ~?昔は南蛮胡椒とも呼んだようですからポルトガルですかねぇ~?

 私たちが現在ピーマンと呼んでいる物は、明治以降にアメリカから伝わって栽培がはじまり、本格的に世の中に出回ったのは第二次大戦後になります。

 中華料理やエスニック料理、キムチや七味唐辛子とアジアの料理に欠かせないトウガラシがアジア原産ではなく、遠い中南米から伝わった物なんですね。

 ピーマンという呼び名はフランス語圏のPimentに由来すると言われていますが、疑問点が2つでてきます。

 Pimentはフランス語ではトウガラシ類全てを示す言葉なのになぜ?日本ではいわゆるピーマンになったのか?もう一つは、前述のようにいわゆるピーマンはアメリカから伝わったのになぜフランス語に由来する呼び名がついたのか?

 ネットや文献で調べても良く分からないですねぇ~?どなたか詳しい方がいらしたら教えて下さい。

 ちなみに、Googleの翻訳ソフトでピーマンを翻訳みると、ピーマン(日本語) → Poivre(フランス語) → Pepper(英語) → Pimienta(スペイン語) → Bors(ハンガリー語) → ペッパー(日本語)となってしまいます。

 ペッパーが日本語かどうかは若干の疑問が残りますが・・・。

 面白い事にトウガラシ(日本語) → Capsicum(英語・フランス語共通)、唐辛子(日本語) → RedPepper(英語)・Poivron rouge(フランス語)になります。

 Capsicum(英語・フランス語共通)はカプシクムでトウガラシ属の学名なので、そのまんまですね。逆に翻訳するとCapsicum(英語・フランス語共通) → トウガラシ属(日本語)となります。

 お店で「パプリカの苗を下さい」と言われ、カラーピーマンの苗を薦めると、「カラーピーマンじゃなくてパプリカをお願いします」と言われてしまう事があります。

 パプリカを翻訳してみるとPaprika(ハンガリー語) → Pepper(英語) → こしょう(日本語)となってしまいます。面白い事にPaprika(ハンガリー語) → こしょう(日本語)ですが、Paprika(英語) → パプリカ(日本語)となります。

 ドイツ語圏ではPaprikaはトウガラシ類全般を示す言葉の様です。ちなみにアメリカではPaprikaは粉末にした香辛料のパプリカやハンガリー産のカラーピーマンを呼ぶ時に使うようです。

 ピーマンの分類の仕方は文献によって若干の違いが見られますが、大きく分ければ肉厚大果・中肉中果、薄肉中果 薄肉少果に分けられます。(「野菜園芸ハンドブック」西貞夫氏監修、㈱養賢堂出版より)

 一般に食べられている緑の小ぶりのピーマンは中肉中果又は薄肉中果のタイプです。ししとうは薄肉少果のタイプになります。甘トウガラシと呼ばれる伏見甘長や万願寺などもおそらくはししとうと同じタイプに分類されるかと思います。

 ややこしいパプリカは肉厚大果のグループで、その中でも特に大果になるタイプの完熟果(ピーマン類は完熟すると赤・黄・オレンジなどに着色します)をパプリカと一般的には呼んでいます。もう一つは、一般的には認知度が低いようですが、一時期「トマピー」と言う名で脚光を浴びたハンガリアンパプリカのタイプもやはりパプリカと呼びます。

 パプリカと言う呼び名は、上述の翻訳例の通り、ピーマン類の品種による呼び方では無くて商品としてどこの国から初めて輸入されてきたかによるのではないかと、独断と偏見で断言してしまいます。乱暴な言い方をすれば、パプリカと呼ぼうが、カラーピーマンと呼ぼうが、トウガラシと呼ぼうが、どれも正解だし、どうでも良いっちゅう事ですね。

 家庭菜園で栽培する場合は上述のパプリカの系統はほとんど無理に近い(プロでも非常に難しい)ので、一般的にはカラーピーマンと呼ぶ、やや小さめの肉厚大果系の品種を栽培するのが良いでしょう。

 当然、原寸大ではありませんが、おおよそ大きさの比較になりそうな画像をご紹介します。
ピーマンのお話 ~パプリカ?~


 画像の上の段の左からパプリカタイプ(果重200g以上)、カラーピーマンタイプ(果重100~150g位)、中肉中果タイプピーマン、薄肉中果タイプピーマンです。
 下段は左からししとう、甘とう美人(万願寺タイプ)、伏見甘長、鷹の爪です。

 う~ん?長くなってしまいました。次回に続く・・・。


 


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