何とか春らしい天候になってきましたが、相変わらず朝晩は寒いですねぇ~。「たねや殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の三日も降れば良い」なんて言葉は無いですが、これからも厳しい天候が続くようです。
今日はトウモロコシの話。弊店のある浜北区は浜松市の中ではスイートコーン栽培が盛んな所ですが、今年は生産者の方が苦労しています。家庭菜園の方でも同様だと思います。雨が多くてたね蒔きが思うようにできず、蒔けたとしても低温で順調に発芽しない。苗を定植した物も活着不良などで上手く生育しない。困ったもんです。
スイートコーンの発芽適温は25~30℃で最低でも10℃以上は必要です。最近の気温では、トンネル・マルチという防寒資材を利用しても10℃を確保できないような状況が多々あります。上手くいかない訳ですね。
トウモロコシの原産地と起源については中南米である事は間違いないらしいですが、祖先植物が明らかでなく、特定はされていないようです。有力な説は、原産地はメキシコ高原と南米ボリビアの2カ所以上であることと、野生のテオシントとトリプサクムが関与しているとする考え方らしいです。
またまた、ややこしいですが、スイートコーンとトウモロコシは一般的には同じ物のように扱っていますが、実は違うのです。スイートコーンはトウモロコシの一種なんですね。その他、デントコーンやフリットコーン、ポップコーンなどのトウモロコシがあります。
スイートコーンが一般的に利用され始めたのは1800年代初期のアメリカからですが、トウモロコシは1579年にすでにポルトガル人によって日本に伝わっているようです。
日本のスイートコーンの栽培は、北海道農試が明治37年にアメリカから導入した「ゴールデン・バンタム」が始まりで、1958年に交雑品種「ゴールデンクロスバンタム」が導入され広く普及しました。
その後1971年にサカタのタネ㈱(当時は坂田種苗㈱)が「ハニーバンタム」を発売し、爆発的に増加しました。さらに1985年には同社が「ピーターコーン」を発売し、バイカラーコーンの時代に移りました。そして1990年代半ば位だったと思いますが、「味来390」が発売され、新しい時代?に入りました。
最近では「バニラッシュコーン」や「ピュアホワイト」などホワイト系の品種が続々発表され、今度は白系の時代がやってくるのか?と言う感じもありますが、さすがに白系は・・・?
まぁ、元々トウモロコシには様々な色があり、日本でも昔から「黒もち」とか「白もち」と呼ばれる黒っぽい品種や白い品種が栽培されていました。
マヤの伝説では神々がトウモロコシを練って人を創造したと言われているらしいです。だから人にも色々な肌の色があるんだそうです。
本年から販売中止になったようですが、3色が混じった「ウッディコーン」と言う品種もありましたね。
スイートコーンの品種は年々甘くなって、乱暴な言い方をすれば、甘い品種程発芽不良を起こしやすくて、今年の様な天候になると、最近の品種は特に難しいですね。