土と親しむ ~家庭菜園・農業応援歌~

浜松市浜北区にある「たねや(店頭販売専業)」のbaka旦那が音痴ながらも精いっぱい歌う家庭菜園や農業の応援歌! 美味しい野菜や品種の話、栽培方法など家庭菜園や農業にまつわる話題満載!

トンネル・マルチ栽培のおすすめ!(人参)

 トンネルマルチ栽培のおすすめの第2弾。今回は人参です。

 人参の発芽適温は15~25℃とされ、発芽温度は8~30℃ですが、35℃以上では発芽しません。低温下では発芽に日数を要し、11℃で20日、8℃では30日以上かかります。

 生育適温は18~21℃で、耐暑性は弱く、これより高温になると根の肥大が悪くなり、根形が崩れ、表皮が粗くなります。同時に葉の成長も鈍り、病気も多発します。低温下では根の肥大が悪くなり、3℃以下では肥大を停止します。
 
 土壌適応性は肥よくな砂壌土が最適です。土は有機質に富み、通気性があり、保水・排水がよく、潅水や強い雨の後表土がかたくしまらない土質が適しています。土壌酸度はpH6.0~6.6が好適で、pH5.3以下では外葉が黄変し、生育が止まります。

 また、土壌湿度が発芽・根の伸長・肥大・品質・形状・色に大きく影響します。根の生育には土壌容水量70~80%が最もよく、茎葉の生育はこれより高い方が好適です。湿度が高いと根部の肌が荒れ、極端な場合には根腐れを起こすことがあります。乾燥すると根の伸長、肥大が阻害され、色のつき方も悪く、岐根やひげ根が多くなり、水分が30%以下では生育しません。また水分が不規則に補給されると肌が粗くなります。

 一般的に人参の栽培では、前半は適湿で後半はやや乾燥気味が良いとされています。春まきでは、どうしても後半に梅雨時が当たるので、春まき人参の栽培の難しさがそこにあります。

 人参の根の色の主成分はカロテンで、この色素の生成温度は生育適温よりやや低く16~20℃です。そのため低温では着色が悪くなり、12℃以下の低温になると着色が著しく阻害されます。7℃以下で生育するとその後温度が上昇して、根が肥大しても着色はよくなりません。また25℃以上になるとカロテンの生成が阻害されるため色ぼけとなります。この温度の条件も春まき人参の栽培を難しくしています。

 土壌水分で言えば、多湿より乾燥気味のほうがカロテン含量は多くなります。根の肥大も悪くなく、カロテン含量もやや多い70%内外の土壌水分が最適です。

 施肥で言えば、チッソやカリの不足は一般に生育不良となり、リン酸の過剰な施肥は色を淡くする傾向があります。

 人参のトウ立ち(抽苔)は、大根と違って、緑植物感応型(グリーンプラントバーナリゼーション)と言う生理現象でおこります。

 人参はある程度の大きさに達した株が10℃以下の低温にあうことによって花芽を分化し、その後の高温長日で抽苔します。大根同様、低温感応性は品種によって異なり、一般的に東洋系は敏感で欧州系は鈍感です。一般的に東洋系は抽苔しやすく、西洋系はしにくい、と言う分け方ができますが、品種によって様々で、大根同様、春まきでは晩抽系の品種を使います。

 人参のトンネルマルチ栽培での注意点は、大根に比べ株間が狭いので、95cm幅のマルチでしたら、4条または5条で13~15cm株間の穴の開いたタイプかスリットマルチを使います。また、マルチをした場合土壌が乾燥しやすいので、初期の過乾燥には注意します。大根よりも高温を嫌うので、春の温度上昇とともに換気に注意します。

 栽培の作型とは関係ありませんが、現在販売されている人参の種子はコート種子と生ダネ種子の2種類があります。コート種子は人参の種子に土状の物質でコーティングして楕円形の粒状にしてある種子の事です。生ダネ種子はそのままの人参種子です。(下の写真)
トンネル・マルチ栽培のおすすめ!(人参) トンネル・マルチ栽培のおすすめ!(人参)    コート種子と生ダネ種子ではそれぞれ長所・短所がありますが、乱暴な言い方をすれば、コート種子は蒔きやすいと言う所が最大の長所で、乾燥に弱い所が短所になります。生ダネ種はその逆になります。

 おすすめ品種は、味で選べば「ベータリッチ」「アロマレッド」、栽培性で選べば「向陽二号」「愛華」「恋美人」と言う感じでお勧めしております。

トンネル・マルチ栽培のおすすめ!(人参)


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