今日も寒くなりましたね。風も強いし・・・。今夜から朝にかけては、風がやんで晴れたままだと予報よりも冷え込む可能性があるので、苗を植え付けた方は注意が必要です。
昨日は色々と忙しくてブログの更新を休んでしまいました。ご訪問された方には申し訳なかったです。
今日は、前回に引き続いて枝豆の話。ちょっと突っ込んだ栽培方法を書いてみました。少し長くなります。
マメ科の植物の発芽の仕方には大きく分けて2通りあります。小豆や豌豆の様な発芽時に子葉が地下に残る地下型発芽と大豆やインゲンのように子葉が地上で展開する地上型発芽です。
地下型発芽は胚軸が細くなりやすいので発芽当初は密生している方が無難な生育をし、地上型発芽は初期から1本立の方が無難な生育をする傾向にあります。ですから、小豆や豌豆は1か所に4~6粒位蒔くのが良く、インゲンや枝豆は2~3粒蒔きをするのが良いとされる所以です。
枝豆に関しては移植栽培も有効な方法ですが、枝豆は細根が少なく、本来は移植に向かない性格なので、移植の苗の大きさに注意する事が必要です。
枝豆は子葉の後に丸い初期葉が出て、その後細長い葉が3枚付いた複葉の本来の本葉が展開します。移植の苗の大きさとしては、初期葉の展開時から本葉の出かかり位が適期となります。画像の苗の大きさが適期の終わり頃の大きさです。(あと2~3日以内位かな?)
*上から撮った画像の丸い葉が初期葉です。
お店で販売していると、もう少し大きめの苗を欲しがる方が多いのですが、自分で育苗したり、又は苗を買われる場合もできるだけこの範囲の大きさで定植するようにします。弊店でも適期の頃の苗は動きが悪く、適期を過ぎた位の苗の方が良く売れたりするので複雑な心境ですが・・・。
大きな苗を植えると分結数が減ったり、草丈が品種本来の大きさにならなかったりで、収穫量が減ってしまいます。栽培のガイドブックなので本葉5~6枚位で芯を止めて枝を増やすような事が書いてありますが、順調に生育して行けば芯を止めなくても各節から枝は出てくると思うのですが・・・?
良い苗の見分け方は、子葉と初期葉の間の茎が太くしっかりした苗が良い苗です。その後は初期葉と1枚目の本葉の節間が伸びすぎないように気を付けます。
そして生育の決め手は3枚目の本葉の状態です。3枚目の本葉の葉面積が大きい程収量が上がると言われています。これは害虫に食害された時でも、食害率と減収率の間には大きな相関関係があると言われています。
畑の様子を良く見ておいて、株によって葉の大きさと莢付きの量の違いを比べてみるのもおもしろいかもしれませんね。
栽植密度(単位面積当たりの植える株数)は産地では10a(1反)あたりで25000本位(25本/㎡)植えますが、家庭菜園では㎡あたり10本位で良いでしょう。1m位の幅の畝で2条で、条間45~50cmで、株間は1本立なら15~20㎝位、2本立ならば30~35cm位で良いでしょう。
肥料は成分量でいえば1株当たり、およそ、窒素0.1g、リン酸0.4g、カリ0.3g位が必要です。これは、例えば窒素・リン酸・カリが3%・12%・9%の肥料ならば約3.3g必要と言う事です。但し、いつも野菜を栽培している畑ならば、元肥は無しで、生殖生長が始まるたね蒔き後30日目位に追肥をすれば良いでしょう。市販の園芸肥料ならば㎡あたり20~30gで良いでしょう。
枝豆は一般的な品種であれば適期蒔き(4/上~4/中)でたね蒔き後75~85日位で収穫になります。だいたい40~50日目位で花が咲きます。生育前半の栄養成長期は適温適湿が良く、生殖成長期に入る開花開花2~3週間前から開花直後位まではやや多湿位が良いです。そして着莢後はやや乾燥気味に生育するのが本来の生育にあった状態です。
これは昔から畔豆(あぜマメ)と言われていたように、水田の畔(あぜ)に栽培されていた事からもわかりますね。たね蒔き時はまだ水田に水は無く適湿状態で、梅雨が近づき田に水が入る頃に生殖成長期に入り多湿状態で過ごし着莢し、莢が太る頃に梅雨が明けて順調に収穫まで、と言うように枝豆が上手に生育していた訳です。
畑で栽培する場合も同様の管理をする事が枝豆を上手に栽培するコツになります。着莢するまではどの時期でも過乾燥は良くないので気を付けて、特にたね蒔き後1カ月目位から着莢が確認できるまでは十分に水分があるように努めます。畑の土も軽い乾きやすい畑よりも、やや重たい保水力のある畑の方が良くできます。
病虫害に関して言えば、家庭菜園の場合でしたら病気はさほど問題にならないかと思います。害虫は色々と付きますので、早め早めの防除が大切です。特に開花期前後から着莢初期に気を付けます。
参考文献として「野菜の生育 本物の姿を知る(藤井平司著)」その他を参考にしています。20年以上も前に読んだ本ですが、今回読み直して非常に勉強になりました。
コメントありがとうございます。