朝からバタバタしていてブログの更新ができませんでした。
画像は定植適期のスイートコーン苗です。お客様には「苗が小さいねぇ~。これで大丈夫?」と言われてしまいます。
枝豆の時にもお話ししたように思いますが、スイートコーンも大苗での定植は嫌います。本来は直播が一番です。苗はできるだけ小さめで植えた方が、植え痛みが少なく、後々の生育も順調に行きやすいです。
画像の苗は、分かりにくいかもしれませんが、草丈がだいたい7cm位です。5~7cm位の大きさが丁度良い大きさです。大きくなっても10cm以内で植えるようにしましょう!
お客様と話していて、「草丈の大きくならないスイートコーンの品種は何ですか?」と、良く聞かれます。良く話を聞いてみると、150cm位の草丈を想定している事が多いです。
現在、一般に流通している品種では小さい物でも170~180cm位にはなります。150~160cm位でできているとすると、だいたいは大苗を植えて木が生長しきれなかったのが原因だと思われます。直播や適期苗の定植で小さくなった場合は、活着不良や、乾燥・肥料あたりなどで根が傷んだのが原因だと思われます。
いずれにしても、生育不良だと言う事です。そこそこ満足できる果実が収穫できていたとしても、栽培した品種の本来の能力は発揮できていない事が想像できます。
スイートコーンは家庭菜園でも人気の作物ですが、家庭菜園には不向きの作物でもあります。それは、集団で栽培しないと、その品種本来の能力が発揮できない性質があるからです。
スイートコーンは雄花と雌花が別々に咲きます。1本の木で言えば、雄花が咲いて、しばらくしてから雌花が咲きます。自分の雌花が咲いた頃には、雄花の花粉は散った後になってしまうのです。ですから、できるだけ多くの株を植えて、その個体差で雌花が咲いた時にいつでも花粉が飛んでいる状態にしてあげないと、良い果実がつきにくくなってしまうのです。植え付ける本数が少ない程、授粉できないリスクが大きくなるんですね。
又、スイートコーンを植える場合は、細長く栽培するより、四角く栽培する方が実着きが良くなります。例えば20本植える場合に、1列に20本植えるよりも、5本ずつ4列に植えると言う事です。それは上述と同じ原理で、他の株に花粉が飛びやすく、授粉しやすくなるからです。
近くにスイートコーンの畑があれば(できれば風上に)、その畑の品種と同様の品種を同様の時期に栽培すれば、少ない本数でも、上手く実を付ける事が出来ますが・・・。
但し、近くに全く違う品種が植わっている場合はキセニアと言う現象に注意します。特に飼料用のデントコーンが栽培されている場合は、その花粉で授粉してしまうと、あまり甘くない実ができてしまいます。白い実のスイートコーンを栽培している場合は、近くに黄色い品種があれば、黄色い粒が混じったりします。
スイートコーンはアワノメイガという天敵の様な害虫がいます。この害虫は、だいたい雄花が咲く頃卵を生み付け、着果する頃幼虫が生まれるので、雄花の咲く前後と、雌花の咲く前後に、重点的に防除すると、最小限の労力で被害を軽減できます。