きれいな菜の花畑。と言ってもこれはいわゆる菜の花ではなくてカラシナの菜の花です。たぶん?きっとそうだと思う。
それでもって、いわゆる菜の花と言った時にも、白菜に近い葉の菜の花(縮緬系の白菜からの系統分離?)とアブラナの菜の花があります。相変わらずややこしい話が多くてすいません。
しかも食用の場合は菜花(ナバナ)と言い、観賞用の場合は花菜(ハナナ)といいます。

切り花用品種「観月(タキイ種苗)」
食用のトウ菜の出荷の仕方でみると、一般的には下記の画像の通りです。


白菜系の菜花「春華(日東農産)」とアブラナ系の菜花「のらちゃん(日東農産)」
アブラナ科の野菜の主要な品目は大根を除きほとんどがブラシカ属に入っています。ブラシカ属は大きくA・B・Cの3つのゲノムに分類され、それぞれ複二倍体(AB・AC・BC)があり、6つのグループに分けることができます。
Aゲノムがアブラナのグループで白菜や体菜・ミズナ・カブ・アブラナなどです。この系統がいわゆる本当の菜の花ですかね。
ついでに白菜(左)と水菜(右)の菜の花です。
Bゲノムは黒ガラシのグループとされているが日本国内ではあまり重要視されていないようで良く分からないですね。たぶんブラックマスタードの事だと思いますが・・・。そのまんま英訳やんけ!
Cゲノムはキャベツヤブロッコリー・カリフラワーなどのグループです。
ABはカラシナノグループで葉カラシナとか高菜のタイプです。私の見立てが正しければ?上の菜の花畑の画像はこの系統と言う事になります。
ACが西洋アブラナのグループ。どうも最近はこの系統の菜の花の方が多いような気がします。上の画像の「のらちゃん」もおそらくはこのグループです。
「のらちゃん」の菜の花
BCがアビシニアガラシとなっていますが、良く分かりませんねぇ~?辛子成分をとるのに利用するようで、マスタードの原料ですかねぇ~?
回りくどくなってしまいましたが、いわゆる菜の花は基本はアブラナの花の事でAゲノムのグループですが、画像の名の花はABゲノムのグループと言う事になります。
ちょっと話が変わりますが、最近、と言うか数年前より「GMナタネ」と言うのが問題になっていて、いわゆる遺伝子組み換えの西洋アブラナの事です。
日本国内では栽培を許されていないのですが、食用油やマーガリンの原料として輸入された「GMナタネ」が輸送中にこぼれて、発芽してしまい自生してしまっているようです。
県内でも清水港の周辺では見つかっているようですね。ブラシカ属はゲノムが違っても比較的容易に交雑するので、放っておくと国内のアブラナや体菜と勝手に交配して訳のわからない菜の花?がどんどん増えてしまうんですね。
最後の画像は「レープ」と言って(ちょっと危ない名前ですが)、西洋アブラナですが、GMナタネもこれに近い草姿をしています。幹線道路沿いにこんな菜の花が孤立して生えていたらGMナタネの可能性がありますね。グリホサートやグリホシネートに耐性のたんぱく質を持っているようなので、「ラウンドアップ(グリホサート)」や「バスタ(グリホシネート)」をかけてみて、枯れないか?枯れにくかったら、たぶん?当りでしょう!
