ししとうがなぜ辛くなる?とは関係ありませんが、珍しいタイプのトウガラシ類の画像です。
左はハンガリアンパプリカの系統の「セニョリータ(サカタのタネ)」、中央「バナナピーマン(サカタのタネ)」、この系統はたまに辛味果が発生します。右は「黄とうがらし(中原採種場)」、鷹の爪以上に辛い唐辛子です。
唐辛子が辛いのはカプサイシンを含むからですが、一般的なピーマン類はカプサイシンを生成する因子をもっていません。だから辛くならないのですね。但し、トウガラシ類は容易に他の株と交雑するので、近くに唐辛子類が植わっていると、その花粉と授粉して、種子が辛みを持つ事はあるようです。果実自体は母系の性質が優先されるので、辛くなる事はありません。
ししとうや万願寺など甘唐辛子の系統は少し事情が違ってきます。少量ながらもカプサイシンを生成する因子を持っているんですね。
順調に育っている時にはこの因子が働かない為、辛みは出ないのですが、環境によるストレスが加わるとこの因子が働いてカプサイシンを生成してしまいます。それで辛味果が出てしまうんですね。又、少果系の物は種を取って食べないので、唐辛子と交配された種を含んでいる果実を食べると、果実自体は辛味がなくても、辛く感じてしまう事もあります。
ししとうは開花後2週間を超えるとカプサイシンが作られ始め、3週間経てば必ず辛くなると言われています。乾燥や肥料切れで果実の肥大が遅れると辛くなりやすいと言う事ですね。真夏に辛味果が増えるのはこの為です。
トウガラシ類(ピーマンを含む)は浅根性で乾燥に弱いので、夏場の乾燥や高温で容易に根が傷みストレスを感じてしまいます。早めに敷きわら等をして乾燥や高温から根を守れば、ししと類が辛くなるのを軽減できますね。(絶対にで無いとは言い切れません。)
ピーマンも辛味果は問題無くても、樹勢が弱るのを抑えられます。又、肥料切れもストレスになりますので適度に追肥をしましょう。畑に肥料分があっても乾燥により肥料切れ状態になる事もありますので、極度に乾燥する場合は潅水もしましょう。
ちょっと宣伝。液体堆肥「菌の力」は新種のアルカリ性光合成細菌を核にした100%天然有機の液体堆肥です。土壌微生物のバランスを良くし、物理性や化学性のバランスも整える働きがあります。それによって植物の根の働きを活性化して、健全な生育を助けます。まぁ、ししとうが辛くなりにくい環境を作ってくれるってことです。
当然、その他の植物も健全に生育させることに役立ちます。又、肥料の利用効率が上がるので、減肥ができ、コストの削減にもなります。専業農家の方にもお薦めです。
月に2~3回位、300~500倍に薄めて、潅水代わりに畑に散布するだけです。葉面散布も効果があります。